我が国に本社を持つ、SHARPの2024年の最上級スマホ「AQUOS R9」を購入したので、レビューする。※2024年9月19日のOTAアップデート後に検証
おさらい
既に4年落ちな『iPhone 12 Pro』本音レビュー。2024年で戦えるのか。
期待の『無印』iPhone 16を発売日に購入してレビューするハナシ
結論「ほぼ完璧」
はじめに結論を言ってしまうと、AQUOS R9はほぼ完璧なスマホだった。
僕はAQUOS sense 2018、sense2 を使ったことがある。だからこそ、AQUOS=使えないスマホというイメージを持っていた。
そんな僕のAQUOS R9に対する感想をまとめると
良い点
- サクサク動く操作感
- クセのない綺麗なディスプレイ(SAMSUNG製)
- 申し分のない画面輝度とリフレッシュレート 120Hz
- 超ロングバッテリー
- ふつうに綺麗なカメラ
- Pixel並にスムーズなOS
- 指紋認証
- 不具合のなさ
- 個性的なデザイン
- 発熱しにくい
- 軽い(約195g)
- 全キャリア対応バンド(モバイルデータ通信 / 4G / 5G)
- IP68防水
- モバイルSuica / おサイフケータイ/ FeliCa 搭載
- デュアルSIM : nanoSIM+eSIM
- SIMカードトレイをSIMピン無しで開けられる
- SIMカードを取り出しても再起動しない
及第点
- スピーカー性能
- カメラのズーム性能
- カメラの連続操作時のもたつき
- 超広角カメラのナイトモードの遅さ
- 写真の透かしの「mm」表記がズームしても23mmのままで撮影後に何倍で撮影したか不明
- 写真の透かしを後から消せない
- スクショを撮った直後に加工をするとGoogleフォトが開かれる
- 電源ボタンが凹んでいるため押しにくい
- ベゼルが細いためエッジディスプレイ問題がある
- 充電速度が速くはない
- ワイヤレス充電非搭載
改善点
- どのレンズも4K 60fps(固定)撮影できない
- 超広角カメラで60fps撮影できない
- マイクの音質、集音性能があまり良くない
AQUOS R9の操作感は十分
AQUOS R9は、Snapdragon 7+ Gen 3を積んでいる。メモリは12GB、ストレージは256GB(UFS 4.0)。
スマホ市場の中では最高性能ではないが、これで十分。しかも値段が高いPixel 9 よりもサクサク動く。
スマホ名 | チップ(SoC) | 総合スコア | GPU |
vivo X100 Ultra | 8 Gen 3 | 2022613 | 885284 |
HONOR Magic6 Ultimate | 8 Gen 3 | 2022707 1771714 | 873590 662525 |
Galaxy S24 Ultra | 8 Gen 3 | 1805562 | 662242 |
Galaxy S24 | 8 Gen 3 | 1653279 | 563505 |
AQUOS R9 | 7+ Gen 3 | 1256841 | 441422 |
Pixel 9 Pro XL | Tensor G4 | 1011357 | 450801 |
しかも昔のAQUOSにあったスクロールがのんびりな感じも全くなく、タッチ感度もなんの不満もない。初めて触った時、これほんとにAQUOS??と疑った。
クセのない綺麗なディスプレイ
今回のAQUOSで最も大きな特徴がディスプレイ仕様の変更。従来は、シャープ自社製の有機ELパネルを積んでいたが、SAMSUNG製へと変更された。いっぽうで、名称は『Pro IGZO OLED』と同じ。
この新しい有機ELは以前のAQUOSのようなギラギラ感も赤みの強さもなく、かなり素直な色表現。
明るさも十分(2000 nits)だし、もちろんリフレッシュレート120Hz(最大:擬似240Hz)にも対応。
直射日光下で常に最大輝度で使用していると警告があり、輝度制限があったものの、日陰に行くとすぐに解除された。
バッテリー持ちがいい
1日ハードに使っても夜に40%程度の残量だった。バッテリー持ちはかなりいいと言える。
使えるデュアルカメラを搭載
AQUOS R9のカメラは下記。最高性能ではないが、2024年のスマホとしては十分戦える。
広角カメラ(1倍)23mm:50MP (1/1.55) F/1.9 OIS(光学手ぶれ補正)
超広角カメラ(0.6倍)13mm:50MP (1/2.55) F/2.2
インカメラ:50MP (1/2.88) F/2.2
ここからは実際の作例を見ていく。比較対象は同じライカ監修カメラ搭載のXiaomi MIX Flipだ。
1倍
▼色はあっさり目。解像感は十分良い感じ。
RAWデータを用いたHDR処理にも対応し、数年前のAQUOSと比べものにならないほど逆光に強くなった。
2倍
▼2倍は、5000万画素センサーの中央1250万画素の切り取り:リモザイク(画素配列を工夫したデジタルズーム)。解像感も良く、十分使える。
▼シャープネスも強すぎず、ちょうどいい感じ。
4倍
2.1倍からは、完全なデジタルズームだから4倍あたりになると流石に粗が目立ってくる。
とはいえ、スマホでみる分には、画質は十分であると言える。
超広角カメラ
AQUOS R9には超広角カメラを搭載している。同じ場所から、画角の広い写真を撮影できる。
▼解像感も日中であれば、十分良い感じ。
夜景 / 1倍
▼暗めのチューニングで、夜らしさを感じる雰囲気。HUAWEIに近い。
▼電飾の白飛びも抑えられている。
▼HDRが効いている。
▼コントラストが効いていて、メリハリがある。
2倍
▼リモザイクしているはずだが、画質は少し厳しい。スマホで見る分には十分だが、PCで見ると粗が見える。
▼HDRが効いている。
▼木の解像感が少し物足りない。
▼ちなみに、2倍で近寄って撮影も可能。背景ボケを得られる。
超広角
▼MIX Flipの1倍
▼AQUOS R9の1倍
▼AQUOS R9の超広角。少し明るくしすぎて違和感がある。解像感もいまいち。HDRはよく効いている。
夜景の超広角はシャッタースピードがやたら遅く写真が破綻しやすい。
頑張れば星が撮れる(かも…?)
ナイトモードには星空撮影モードがあるが、不具合が起きているのか、途中で処理落ちをしてしまった。
ただし、ナイトモードの自動でもある程度も綺麗に撮れる。
動画
動画撮影性能は、以下のとおり。60fps撮影中にレンズの切り替えができない。また、超広角カメラは60fps撮影ができない。
8K 撮影 | 不可 |
4K 撮影 | オート( 30-60 fps),30fps(レンズの切り替え可能) |
1080P 撮影 | 60fps(1倍以降のみ),30fps(レンズの切り替え可能) |
スローモーション | 120/240 |
背景ぼかし動画 | 1080P 30fps |
▼実際の動画はこのような感じ。必要十分に使えるクオリティはあるが、少しブレが気になる時がある。
色味も悪くないし、記録撮影であれば十分だろう。
OS
OSはPixelに近いものの、項目を大まかに分類しているなど、若干異なるところがある。
また、『最大3回のOSアップデート』に対応している。初期OSがAndroid 14で、Android 15,16,17まで対応しているということになる。
AQUOSおなじみのメニューもある。ほとんど使う人はいないと思う。
2つの生体認証
側面指紋認証と2D顔認証を搭載。精度と速度は非常に良い。後述するが、電源ボタンの指紋認証だから人によっては好みわかれる。あと押しづらい。
いまのところ不具合なし
不具合がない。とは言い切れいないけれど、深刻な問題には出会っていない。
個性的なデザイン
▼ビルドクオリティはまずまずの完成度であり、デザインもレンダリング画像や写真よりもカッコよく見える。
マイクロSDカードに対応
AQUOS R9は『nano SIM1枚』と『eSIM』に対応。さらに、『2GBまでのmicroSDカード』、『32GBまでのmicroSDHCカード』、『1TBまでのmicroSDXCカード』に対応する。
スピーカーはふつう(悪くはない)
AQUOS R9からスピーカーを強化し、『ボックス型ステレオスピーカー』を搭載。音質は悪くなく、十分いい音が鳴る。ただし音量と音圧をもう少し上げて欲しい。
カメラのズーム性能は期待できない
望遠カメラは搭載していないため、ズーム性能は期待できない。2倍はリモザイクされたきれいな写真だが、それ以上は倍率が上がるごとにガサガサな写真になる。下は左AQUOS R9が8倍(最大)。右のMIX Flipは10倍。
電源ボタンが押しにくい。
電源ボタンが沈んでいるため、ケースを付けるとより押しにくい。
ベゼルが細い弊害
ベゼルが細いので、端に指が触れていると操作が鈍くなることがある。エッジディスプレイのスマホによく見られたものだ。このあたりは、ソフトウェアのアップデートで改善してほしい。特段、深刻な問題ではない。
充電はふつう、ワイヤレス充電非対応
PPS対応の充電器を使えば、ある程度の速さで充電できる(USB Power delivery Revision3.0)。充電が遅いと は全く感じないが、もう少し早くしてくれると感動する かも。
公式では、0%から100%まで約130分とされている。
さらに、90%まで充電し、バッテリーをいたわる機能 も備える。
なお、ワイヤレス充電は非対応。
マイクの集音性能が悪い
いつも通りの声量で電話をしていると声が小さいと言われた。大きな声で電話しよう。個人的に、よく通話するので気になった。
まとめ : AQUOSでいい思い出のない人にこそおすすめ
AQUOS R9、期待を超えてきた。
大きな不満もないし、カメラも十分、ディスプレイは最高だし処理能力も申し分なし。
今までAQUOSを使ってきて二度と使わないと考えている人にこそ、おすすめしたい。
購入先
スペック表
スペック比較 | |||
---|---|---|---|
機種名 | realme GT Neo6 SE | AQUOS R9 | Google Pixel 9 |
ディスプレイ | 6.78(LTPO120Hz有機EL)6000 nits | 6.5(LTPO120Hz,240Hz有機EL)2000 nits | 6.3(120Hz有機EL)2700 nits |
解像度 | 1264 × 2780 | 1080 × 2340 | 1080 x 2424 |
チップ | Snapdragon 7+ Gen 3 | Snapdragon 7+ Gen 3 | Google Tensor G4 |
ストレージ – メモリ | 256GB – 8GB 256GB – 12GB 256GB – 16GB 512GB – 16GB | 256GB – 12GB | 128GB – 12GB 258GB – 12GB |
規格 | UFS 4.0 | UFS 4.0 | UFS 3.1 |
バッテリー | 5500 mAh 100W | 5000 mAh 満充電 130分 | 4700 mAh 27W |
セキュリティ | 指紋/顔 | 指紋/顔 | 指紋/顔 |
FeliCa | なし | あり | あり |
防水 | なし | IP58/IP6X | IP68 |
SIM | デュアルSIM(nanoSIM ×2) | デュアルSIM(nanoSIM ×1+eSIM) | デュアルSIM(nanoSIM ×1+eSIM) |
重量 | 191 | 195 | 198 |
サイズ | 162 × 75.1 × 8.7 | 156 × 75 × 8.9 | 152.8 x 72 x 8.5 |
定価 | 約40,000円 | 117,040 | 128,900 |
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