新型AQUOSはproモデルが登場せず、「AQUOS R9」が事実上2024年SHARPのフラグシップスマホになったわけだが、まさかのSnapdragon 8 Gen 3は非搭載。
近年はスマホのチップセット(SoC)は高額化しており、大量発注が難しいメーカーは最上位SoCを積むことがコスト面で厳しい状況だ。
そんな「AQUOS R9」と同じSnapdragon 7+ Gen 3(Antutu 130)の超ハイスペックな性能を持つ、「realme GT Neo6 SE 」を手に入れたので、レビューをする。
前回のおさらい!
6月4週目にそーすけ(@sosuke_0311)が書いた格安モデル“OPPO A79 5G”のレビュー記事になります!!公式ストアを始め、店頭などでも一括1円と破格で販売されてる事が多い機種ですが、そーすけ的に【お値段以上】な性能だと感じましたので、ぜひ購入の参考にしてみては!?
6月5週目に現在休止中のたま(@vivooroku)が【りんご通信初企業案件】として書いてくれた格安フォルダブル“Libero Flip”のレビュー記事になります!!発売当時から価格の安さに注目されてましたが、実際の使用感について、メーカーさんが“意外と注目してない点”を【高校生目線】で解説してるので、こちらもぜひ読んで頂ければ!
realmeとは
中国の大手スマホメーカー「OPPO」のサブブランドで、コストパフォーマンスに優れたスマホを販売。基本はOPPOのスマホと同じなので、トップメーカーらしい完成度の高い作りをしている。
今回紹介する「realme GT Neo6 SE 」も例にもれずコスパモンスターだ。
AQUOS R9とは
大阪に本社を持つSHARPが台湾企業鴻海(Foxconn)の傘下になった際に作られたスマホブランドが、低価格「AQUOS sense」と高級路線「AQUOS R」だ。
その「AQUOS R」の8代目にあたるのが「AQUOS R9」。ちなみに、「AQUOS R4」はなぜか存在しない。
Snapdragonとは
このブログを読んでくれている人にはもはや説明するのは不要だと思ったが、改めて復習をしたい。
スマホの頭脳ともいえるチップセット(SoC)の代表とも言えるのが米Qualcomm社がスマホメーカーに供給する「Snapdragon」だ。
最近は台湾のMediaTek社「Dimensity」もかなり普及してきているが、それでも圧倒的多数な信頼度と搭載台数を誇るのが「Snapdragon」。
それの最上位グレードが「8 Gen」で、最新版が「8 Gen 3」なわけ。そして、一つ格下にはなるが高性能な「7 Gen」もある。
2024年の高級スマホは「Snapdragon 8 Gen 3」を搭載するのが一般的。しかしAQUOS R9はひとつ下の「Snapdragon 7+ Gen 3」を積んでるわけ。
ただ、「7+ Gen 3」も決して貧弱なチップではない。どうやら、その正体は、2023年の最上位「8 Gen 2」とほぼ同じらしい。だからこれも超ハイスペック。
そしてたった4万円で買える「realme GT Neo6 SE」がそれと同じというのがすごい。
スペック
今回は「AQUOS R9」、日本発売で脅威のコスパを誇るXiaomi「POCO F6 Pro」も並べた。
スペック比較 | |||
---|---|---|---|
機種名 | realme GT Neo6 SE | AQUOS R9 | POCO F6 Pro |
ディスプレイ | 6.78(LTPO120Hz有機EL)6000 nits | 6.5(LTPO120Hz,240Hz有機EL)2000 nits | 6.67(120Hz有機EL)4000 nits |
解像度 | 1264 × 2780 | 1080 × 2340 | 1440 × 3200 |
チップ | Snapdragon 7+ Gen 3 | Snapdragon 7+ Gen 3 | Snapdragon 8 Gen 2 |
ストレージ – メモリ | 256GB – 8GB 256GB – 12GB 256GB – 16GB 512GB – 16GB | 256GB – 12GB | 256GB – 12GB 512GB – 12GB 1024GB – 16GB |
規格 | UFS 4.0 | UFS 4.0 | UFS 4.0 |
バッテリー | 5500 mAh 100W | 5000 mAh 満充電 130分 | 5000 mAh 120W |
セキュリティ | 指紋/顔 | 指紋/顔 | 指紋/顔 |
FeliCa | なし | あり | なし |
防水 | なし | IP58/IP6X | IP54 |
SIM | デュアルSIM(nanoSIM ×2) | デュアルSIM(nanoSIM ×1+eSIM) | デュアルSIM(nanoSIM ×2) |
重量 | 191 | 195 | 209 |
サイズ | 162 × 75.1 × 8.7 | 156 × 75 × 8.9 | 160.9 × 75 × 8.2 |
価格 | 約40,000円 | 117,040円 | 69,980円 |
AQUOS R9の価格でrealme GT Neo6 SEが約3台買える。やばい。同じ性能なのに(倒置法)。
「realme GT Neo6 SE 」の特徴
- ゲームも余裕な超高性能(Antutu 130万)
- 超綺麗なディスプレイ
- それなりのカメラ
- デュアル物理SIM
- 日本語対応
- Google Play対応※記事途中にて解説
- 中国以外では未発売
- 防水とFelicaなし
「GT Neo6 SE 」の詳細スペック
realme GT Neo6 SE | |
---|---|
発売日 | 2024年4月17日 |
ディスプレイ | 6.78(LTPO120Hz有機EL)6000 nits |
解像度 | 1264 x 2780 |
チップ | Snapdragon 7+ Gen 3 |
ストレージ – メモリ | 256GB – 8GB 256GB – 12GB 256GB – 16GB 512GB – 16GB |
ストレージ規格 | UFS 4.0 |
バッテリー | 5500 mAh 100W 有線で最速12分で1-50%充電 |
カメラ | アウトカメラ: 広角:50 MP(1/1.95型), f/1.9, 26mm,PDAF, OIS 超広角:8 MP(1/4.0型), f/2.2, 16mm, 112˚, 1.12µm 動画:広角:4K 60fps、超広角:1080P 30fps インカメラ: 32 MP(1/2.74型), f/2.5, 22mm |
スピーカー | ステレオ、イヤホンジャックなし |
Wi-Fi | 802.11 a/b/g/n/ac/6, dual-band |
Bluetooth | 5.4, A2DP, LE, aptX HD, LHDC |
OS | Android 14, Realme UI 5.0 |
セキュリティ | 指紋/顔 |
FeliCa | なし |
防水 | なし |
SIM | Dual SIM (Nano-SIM 2枚) eSIMなし |
重量 | 191 |
サイズ | 162 x 75.1 x 8.7 |
価格(税込) | 約4万円 |
「GT Neo6 SE 」の付属品
化粧箱が非常に大きい。
100Wの超急速充電器、ケーブル、ケースが付属。
「GT Neo6 SE 」のボディ
背面のカメラ付近が鏡のように反射する。
ただ、汚れや指紋がやたら目立つし、映る像が歪むので、鏡としても使えないのが残念。
上部にはマイクやセンサー等。
下部にはスピーカー、USB-C端子、マイク、SIMスロット。イヤホンジャックはない。
左側には何もなし。
右側には音量ボタン、電源ボタン
本体サイズはiPhone 15 Pro Maxと同等で、大きい。
美麗なディスプレイ
realme GT Neo6 SEのディスプレイは8T LTPO・120Hzリフレッシュレート対応で、2780 x 1264解像度のAMOLEDディスプレイ(有機EL)。
ピーク輝度は6,000nit、全白表示で1600nit。
直射日光下での視認性も抜群で、19万円のiPhone 15 Pro Max(左)とほぼ同じ。これで4万円。
タッチサンプリングレートは360Hzで、一部のゲームでは最高2500Hz。
また、2160HzのPWM調光とDC調光に対応で目が疲れにくいのも嬉しい。4万円のスマホの有機ELはやたら目が疲れる機種があるので、それが全くないのは高評価。
パンチホールインカメラ、細いベゼルと格安スマホとは思えない作り。
エッジディスプレイは賛否わかれそう。
WidevineセキュリティレベルはL1に対応。Netflixなどの動画ストリーミングサービスで、美麗なディスプレイをふんだんに楽しめる。
使いやすいOS
ノンリニアアニメーションだから、急いで操作したときもカクつくこともなく、非常にヌルヌルサクサク動いてくれる。4万円のスマホの動きじゃない。
日本語にもばっちり対応。
ホーム画面。自分でGoogle系アプリをインストールすれば普通のAndroidと同じ。apkファイルかアプリストアから簡単に導入できるから、中華スマホに慣れてない人もハードルが低いのは嬉しい。Googleの認証を受けているので、今後使えなくなる心配がないのも魅力的。アプリの通知も比較的正確に届く。
システムアプリと日本人には馴染みのないアプリがたくさん入っている。
クイック設定+通知センターは一体型で、音量の調整もできて優秀。
アップデートも頻繁に配信されている。
生成AI機能
純正の写真アプリには生成AIを活用した消しゴム機能がある。精度は非常にいい。
処理能力
Snapdragon 7+ Gen 3を搭載。また10014mm²のベイパーチャンバーを搭載で冷却性能もばっちり。
LPDDR5XメモリとUFS 4.0ストレージを搭載。
バッテリーライフ
バッテリー容量は5,500 mAhの超大容量。動画再生は21時間、MOBAゲームは8時間プレイできるとうたう。
実際使用してみてもバッテリー持ちは非常にいい。超高性能なのに電池も持つ。なのに安い。これはやばい。
待機中の電池持ちも素晴らしい。
充電速度
100W (日本では80W) の急速充電にまで対応。だだし専用の充電器(付属品)が必要。これにより、12分で50%まで充電でき、1600サイクル後でもバッテリー寿命は80%以上を維持できるという。
また、USB PD(PPS)充電では25W前後。
カメラ
さすがにカメラはコストダウンされており、スペックは高くない。
特徴なのは、広角カメラにSONYが開発した「LYT-600(IMX882)」を搭載している点。5000万画素(1/1.95型)というまずまずのスペックだ。全画素オートフォーカスに対応するなどの美点を備える。
センサーが大きいほど光がたくさん入ってきて写真を構成する情報が増え、高画質になるということだけど、
そもそもフルサイズカメラと比べるとその大きさは比にならないから、スマホのカメラ如きで、、、という意見もある。またスマホカメラはレンズの質もそこまでよくないから、結局は画像処理で綺麗に魅せることが重要だ。
カメラスペック
アウトカメラ:
広角カメラ:SONY「LYT-600(IMX882)」5000万画素(1/1.95型), f/1.9, 26mm,PDAF, OIS(光学式手ぶれ補正)
超広角カメラ:SONY「IMX355」 800万画素(1/4.0型), f/2.2, 16mm, 112˚, 1.12µm
動画: 広角カメラ:4K 60fps、超広角カメラ:1080P 30fps
インカメラ:
3200万画素(1/2.74型), f/2.5, 22mm
カメラアプリ
シンプルでわかりやすい。ズームの操作もしやすいデザインになっている。
ここからは、OPPOの最上位カメラスマホ「Find X7 Ultra」と比較する。
作例
日中の広角 1倍。Find X7 Ultraのほうが良いかと思っていたが、そこまで大差はなし。
緑色の表現にも違和感はなし。一昔前はやたら緑、黄色を明るくしていたOPPOだが、だいぶ自然になっている。
画角はFind X7 Ultraが23mmとよりワイドなのに対し、GT Neo6 SEは26mmなのでやや狭め。
日中のズーム。まずは2倍。どちらもリモザイク(クロップズーム)だから、綺麗。
室内の花を2倍で撮影。realme GT Neo6 SEは彩度低すぎる。
3倍はFind X7 Ultraが望遠カメラでくっきりはっきりなのに対し、1倍のカメラを引き延ばしているだけのGT Neo6 SEは画素数が足りなくなってやや荒れ始めている。まだ許容範囲か。
6倍、GT Neo6 SEはちょっときつい。Find X7 Ultraは2つ目の望遠カメラだから6倍でも非常に綺麗。
テレマクロ撮影。ぱっと見は大差なしだが、光学6倍望遠カメラのあるFindはやっぱり強い。
10倍、差が歴然。realme GT Neo6 SEで遠くを撮らない方がいい。
20倍、realme GT Neo6 SEの最大ズームだ。「ライオンズマンション」の文字が全く読めない。
超広角。画角が狭いけど、色合いや明るさの調整は良い。
ファミチキ。まじで美味しいよな。
夜景、広角1倍。最強カメラと遜色ない。小さなセンサーでも画像処理が優秀なんだな。
夜景、ズーム。3倍で撮影、許容範囲。HDRもしっかりと機能している。
夜景、5倍。粗が目立ち、少し厳しい。
看板の文字は読めるので、まずまずの画質。
夜景、超広角。少し明るくて白飛び気味にも見えるが4万円のスマホとしては合格。
動画性能は良くなかった。手ぶれ補正がいまいちで、酔いそう。スマホを固定して撮影するのが良さそうだ。
また超広角カメラは1080P 30fpsまでしか撮影できないので、注意。
付加価値
防水のIPレートとFeliCa/おサイフケータイはなし。安いスマホだから仕方がない。
対応バンド
対応バンドそれなり。繋がりやすさを優先するならSoftBank系SIMがおすすめ。物理SIM 2枚なので、eSIMを使っている人は注意。
GSM: 850/900/1800MHz
CDMA 1X: BC0
WCDMA: B1/5/8
LTE FDD: B1/3/5/7/8/28A
LTE TDD:B34/38/39/40/41
SA: n1/n3/n5/n8/n28A/n41/n77/n78
NSA: n41/n77/n78
価格
中国では1699CNY(約3.6万円、税込約4.1万円) ~。セールでは3万円台で購入可能。
使ってみた感想
「GT Neo6 SE 」の良い点
- 超サクサク
- ヌルヌル動く明るいディスプレイ
- バッテリー持ちがいい
- 充電速度が爆速
- 綺麗に撮れるカメラ
- ステレオスピーカー
- 軽快で多機能なOS
- 価格
「GT Neo6 SE 」の及第点
- デザイン
- 画面内指紋認証の位置
- ズーム性能と動画性能
- OSの完全日本語化
「GT Neo6 SE 」の注意点
- 防水なし
- FeliCa/おサイフケータイなし
- 日本で公式発売なし
AQUOS R9と迷うなら
「AQUOS R9」と「realme GT Neo6 SE 」で迷う人がいるとは思えないが、そんなあなたにおすすめなのは「AQUOS R9」。
ここまで「GT Neo6 SE 」について熱弁したのになぜAQUOSかというと「GT Neo6 SE 」は日本未発売の海外端末。
保証やトラブルを考えるとあまりにもハードルが高すぎるし、FeliCaも非搭載だから日本で使うことは全く想定されてない。ちなみにGoogle Playストアも元々は入ってない。
おわりに
スマホにある程度の知識がある人であれば、万人におすすめしたいのがこの端末。もちろんカメラも最強とは言えないし、デザインの好みもわかれる。
でもなんと言ったってAntutu130万で4万円。これはいくらなんでも安すぎる。
この機種以外にもOnePlus Ace 3やiQOO Neo9といったハイコスパスマホはたくさんある。これらが日本に進出すれば、Androidは安かろう悪かろうではなく、真の意味でAndroidはコスパ最強と言えるのではないか。
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コメント
コメント一覧 (2件)
いつもありがとうございます
1つ教えて頂きたいのですが指紋認証 顔認証の速度や精度は良い感じですか?
コメントありがとうございます!指紋/顔ともにとても早く精度もいいので大満足でした!