今回は2024年下半期から登場したAndroid 15搭載スマートフォンに関して、注意喚起を行いたい。
おさらい
Re:美しさの極致、湾曲ディスプレイの魅力。『arrows NX9』レビュー
巷で話題の”国産”スマホ。『BALMUDA Phone』を年始に購入したので早速レビュー。
事の経緯
フリマでAndroidスマホであるrealme GT7 Pro (Android 15)を購入した。
いつも通りセットアップしてGoogleにログインしようとしたところ、下記の画面が表示された。
このデバイスはリセットされました。続行するには、このデバイスで前に同期した Google アカウントにログインしてください。
つまりGoogleが使えないということ。
ちなみに、画面ロック方法もできないようで、指紋認証、顔認証、英字・数字を含む全ての画面ロックが使えない。
なぜだろう???
制限された機能一覧
実際に一通り触ってみて、使えなかった機能は下記。
- Googleアカウントのログイン
- スマホのロック(指紋認証、顔認証、数字、英字、パスワードすべて含む)
- アプリの追加(apkからも不可能)
Google FRP ロックとは
今回、realme GT7 Proがこのような状態になってしまったのはGoogleのFRPロックというものだ。
わかりやすく言えば、AppleがiPhoneに備えている『アクティベーションロック』のAndroid版といったところだ。
盗難品や紛失品を拾った人が、そのスマホを使えないようにする保護機能である。
だが、今回僕が購入したrealme GT7 Proは、どうやら少し違うようだ。なぜなら、盗難品や紛失品の場合、初期設定すらまともにできないはずだからだ。
実際、初期設定後のGoogleログインがなぜかできない、それが今回の事例である。
こうなる理由
こうなる理由を端的に説明すると、出品者が初期化の手順をさぼったからだ。でも仕方がないことではある。なぜなら以前まではこんな面倒なことにならなかったから。ちょうど半年前にリリースされたAndroid 15から起きるようになったらしい。
※Android 14以前からもごく一部の端末に発生していた模様、またAndroid 15であっても必ず発生するとは限らない模様。
なってしまったときの対処法
こうなってしまった場合、元の(前の)所有者が使用していたGoogleアカウントにログインする必要がある。
つまる所フリマで購入した場合、多くは購入者が出品者のGoogleアカウントにログインしなければならないということだ。
しかし、Googleアカウントにログインするためには、そのメールアドレスとパスワード、さらに2段階認証を突破しなければならない。
当然、僕は出品者のGoogleアカウントの情報など知らない。
①出品者に現状を話す
まずはGoogleにログインできないことを出品者に伝えた。
Googleにログインできません!
②遠隔でログアウトしてもらうよう頼む
別のスマホかパソコンでGoogleアカウント管理ページを開いてもらい、そこから今回のrealme GT7 Proをログアウト(削除)してもらうように頼んだ。
出品者様が初期化前に使用していたGoogleアカウントのデバイス管理ページからこのスマホをログアウトすることは可能でしょうか?
この方法で成功する人もいるらしい。しかし、僕の場合は変化が見られなかった。
③Googleアカウント情報を聞き、自分でログイン
最終手段と思われたのが、Googleアカウントのメールアドレスとパスワードを出品者に聞き、それを僕が入力することで今回の問題を解決しようという方法だ。
大変申し訳ないのですが、以前このrealme GT7 ProでログインしていたGoogleアカウントのメールアドレスとパスワードを教えていただくことは可能でしょうか。
しかし、結論から言うとこれも失敗に終わった。
メールアドレスとパスワードを聞く
出品者に初期化前に使っていたGoogleアカウントのメールアドレスとパスワードを聞く。
僕が打ち込んでログインを試す
2段階認証で表示された数字を出品者が今でも所有しているスマホ上で承認する
しかし、2段階認証を使って出品者にログインを承認してもらうのは結構手間がかかる。
リアルタイムでメッセージのやり取りをしなければならないからだ。少しでも出品者が承認を遅らせると、全てが無駄になってしまう。
番号は31です。押してください
わかりました。
だが、何度試しても失敗。どうやら、2段階認証に成功しても、2段階認証の端末同士が近くにないとログインが許可されないらしい。セキュリティが強化されているな
※2段階認証の端末同士→今回の場合は、僕の手元にあるrealme GT7 Pro と出品者が今使っているスマホ
裏技もある
YouTubeやネットでスマホの名前+FRPで検索すると、そのスマホの脆弱性やバグを利用してGoogleアカウント情報を抹消する方法が紹介されている。
しかし、いずれもかなり複雑で素人が試すにはハードルが高い。また、時間をかけても成功する保証はない。
パソコンのソフトもある
調べてみると、解除専用のパソコンソフトがあることがわかった。一つ試してみたが、結果的にはうまくいかなかった。
どうやら、Android 15がよりセキュリティが強化されていることが原因のようだ。
ならないようにするために
皆さんは、使わなくなったスマホを初期化する際、真っ先にリセットボタンを押しているだろうか。
もしそうならば
金輪際それはやめてください。
リセットボタンを押す前に、まずアカウントのページに行き、Googleアカウントを端末から削除することが必要だ。(画像右の状態にしてから初期化をする。)
また、あまり意味はないかもしれないがX(旧Twitter)アカウントやMicrosoftアカウントなどといったアカウントも端末から削除しておいた方がよい。
さらに、初期化後には一度Googleのログインページが正常に機能しているかを確認し、その後もう一度初期化を行うことをお勧めする。
初期化後の正しい状態
左が初期化が不十分な状態、右がしっかりと初期化できている状態。
売る時は注意
今までのAndroidスマホであれば、リセットボタンを押すだけで問題なく初期化できていた。
次に使う人がGoogleにログインする際にも、何の問題もなかった。
ところが、Android 15からはGoogleがセキュリティを強化したため、ただ初期化するだけでは不十分になった。
そのため、スマホをフリマで売る人は注意すべきだ。繰り返すが、Googleアカウントのログアウト(端末から削除)→スマホのリセットが必要である。
買う時も注意
購入者自身が気づかない場合も多い。初期化されていれば問題ないと思いがちだが、実際にはGoogleアカウントがきちんと削除されているかどうかを確認することが重要だ。
フリマでスマホを購入する際は、発送前に出品者にその確認をお願いするべきだ。
やっぱりフリマはめんどい
フリマは素人同士の売買契約であるため、常に不安がつきまう。さらに、今回のように双方が知らないところで新たな問題が発生する可能性もある。
そのため、さまざまな情報に触れて対策を講じたり、可能な限りフリマを避けたりすることで、トラブルやリスクを回避したい。
中古ショップはサポート代と安心を買う場所
フリマでの購入よりも2〜3万円高い中古ショップで買い物をすることが、決して無駄な出費であるわけではない。
むしろ、万が一のトラブルに対するサポートや安心感を得るための投資だと言えるだろう。このような理由から、積極的に中古ショップを利用すべきではないかと感じた。
今回の事例が誰かの参考になれば幸いだ。
※今回は、返品対応になりました。この記事を作成する上でさまざまなアドバイスをしてくださったすべての方に感謝申し上げます。
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