「arrows」といえば、かつては高齢者向けスマートフォンとしてのイメージが強かった。しかし、最近ではその印象も少しずつ変わりつつある。
かつて富士通が製造していたarrowsシリーズは、現在FCNTが手掛けており、さらにFCNT自体がLenovo傘下となるなど、ブランドの背景にも大きな変化が見られる。

そんな中で登場した「arrows Alpha」は、もはや単なるarrowsのスマートフォンにとどまらず、Lenovoやモトローラの要素を色濃く反映させた一台だ。
今回は、その「arrows Alpha」を実際にレビューしてみたい。
前回のおさらい
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綺麗なディスプレイ


まず目を引くのが、発色の良いディスプレイだ。画面サイズは6.4インチと、このクラスでは比較的コンパクト。搭載される有機ELパネルは色再現性が高く、輝度も十分で、直射日光下でも視認性は良好だった。
また、最大144Hzのリフレッシュレートに対応しており、後述する高い処理性能と相まって、操作全体が非常に滑らかに感じられる。


筆者はXiaomi 15T Proで144Hz表示を日常的に利用しているが、やはりこの“滑らかさ”はいつ触れても目を見張るものがある。120Hz端末が登場した当初、その残像の少なさに驚いたユーザーも多かったはずだ。
それを軽々と上回り、わずかなカクつきすら感じさせないのが144Hzの強みである。解像度・輝度・表示の滑らかさ、そのすべてにおいて今回のパネルは非常に高品質だ。
ハイエンドスマホに慣れたユーザーでも満足できる仕上がりと言えるだろう。


一方で、ベゼルはやや太めだ。これはFCNTによれば、耐衝撃性能を高めるための設計とのこと。
デザイン性を優先するか、日常使いでの実用性を重視するか——この点についてはユーザーの評価が分かれそうだ。
頼れる処理能力


arrows Alphaは、SoCにMediaTekのDimensity 8350 Extremeを採用し、Antutuでは約140万点というスコアを記録する。これは、数年前のフラッグシップモデルと肩を並べる水準だ。


実際にさまざまなアプリや操作を試したところ、どの処理もストレスなくこなせる快適さがある。ライトなゲームであれば余裕をもって動作し、日常利用からエンタメまで幅広く対応できるのもarrows Alphaの大きな魅力と言える。
想像を超えるステレオスピーカー


arrows Alphaはステレオスピーカーを搭載している。従来のarrowsシリーズといえば、音質面ではあまり高い評価を得ていなかった印象がある。
しかし、今回のarrows Alphaはそのイメージを大きく覆す仕上がりだ。音量を最大にすると、耳が痛くなるほどの大音量を出すパワーがあり、音質も十分に良好。低音は適度に厚みがあり、高音もクリアで抜けがいい。
さすがにハイエンド帯で「スピーカーの良さ」で知られる機種と比べると一歩譲る部分はあるが、実用性としてはまったく問題なく、エンタメ用途でも満足できるレベルだ。
そつなくこなすカメラ


arrows Alphaはデュアルカメラ構成を採用している。広角カメラには定評のある1/1.55型センサーを搭載しており、日常用途であれば十分満足できる画質を提供してくれる。
もちろん、カメラ性能を強みにするハイエンド機と比べれば粗は見えるものの、SNS投稿や日常の記録用途で困る場面はほとんどない。また、カメラアプリのレスポンスが軽快で、起動から撮影までの動作がスムーズなのも好印象だ。
肩肘張らずにさっと撮れる——まさにスマホカメラ本来の使いやすさを体現した仕上がりとなっている。








まとめ


arrows Alphaは、手に取りやすい価格帯でありながら、スマートフォンとして求められる要素をしっかりと押さえた“抜け目のない”一台だ。
まず6.4インチという扱いやすいサイズは、片手でも無理なく操作できる絶妙なバランス。発色豊かな有機ELディスプレイは解像度・輝度ともに優秀で、動画視聴やSNS、ゲームなどあらゆるシーンで満足度の高い表示体験を提供してくれる。


処理性能も十分で、Dimensity 8350 Extremeのパワーにより日常動作は軽快そのもの。隙間時間に遊ぶ3Dゲームでも、設定をある程度上げた状態で滑らかに動作するため、ミドルレンジ帯としては非常に心強い。
さらにステレオスピーカーも搭載し、動画視聴や音楽再生のクオリティが一段上がっている点も見逃せない。従来arrowsの弱点とされてきた音質面からの進化は、明確に体感できるレベルだ。


加えてFeliCaに対応し、モバイルSuicaやマイナンバーカード機能(電子証明書搭載)など、日本での生活に欠かせないサービスがすべて利用できる点も大きな魅力。日常の利便性という意味では、ほぼ隙のない仕上がりと言えるだろう。
そして本機のユニークな特徴として、スマホとしては珍しい“自律神経測定センサー”を搭載している点が挙げられる。ストレス状態や心身のコンディションを手軽に確認できるため、健康管理への意識が高いユーザーには嬉しい機能だ。


Lenovoの実直な設計思想と、長年日本のユーザーに寄り添ってきた富士通 (arrows) のDNA。その両方が結実したarrows Alphaは、単なる“コスパの良い端末”に留まらず、使い勝手・機能性・安心感のバランスが極めて高い一台に仕上がっている。
普段使いのスマホとして、多くのユーザーを満足させる完成度だ。


評価


- ディスプレイが綺麗
- リフレッシュレート最大144Hzに対応している
- 処理能力が良好(ゲームも遊べる)
- バッテリー持ちが優れている
- 90Wの充電に対応している(充電器も付属)
- OSが軽い
- 耐久性の高い堅牢な作り
- Google Geminiやかこって検索も使える
- 自律神経測定機能など独自機能も備える
- 楽天モバイルにて実質4万3900円/端末のみでは6万9900円で購入可能
- おサイフケータイに対応している
- 3.5mmイヤホンジャックはない
- ワイヤレス充電には非対応
- 望遠カメラはない
文、写真 あおと
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