『HONOR Magic6 Ultimate』レビュー。−生きたHUAWEIの実力は−

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HONORの最上位スマートフォン「HONOR Magic6 Ultimate」を購入し、しばらく使ってみたので実機レビューをする。

価格は約18万円 (日本未発売)と高価で、物理可変しぼり衛星通信などの珍しい機能が詰め込まれたプレミアムモデルだ。

あおと

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格安スマホの新たな選択肢『あんしんファミリースマホ』を実際に使ってレビューしてみた!

日本初上陸。『Nothing』の期間限定コンセプトストア現地レポート!!!!!!!!

HUAWEI(ファーウェイ/華為/华为)は、中国の通信機器大手。1987年設立でスマホメーカーとしては歴史が長い。

HUAWEIはかつてSAMSUNGAppleと並ぶほど世界から人気があった。だから技術力も非常に高い。スマホの性能&品質はお墨付きなんた。

「栄耀」と漢字表記する。「オナー」「オーナー」「アナー」と発音する。

もともとは「HUAWEI」のブランドの一つであった「honor」。日本でも2017年10月12日発売の「HUAWEI honor 9」がMVNO時代の楽天モバイルで取り扱われていたため、馴染のある人もいるだろう。

HUAWEIはアメリカの規制によって、Google系アプリの使用を禁止されてしまったのはもう記憶に新しくもないニュース。

どうにかこの状況を打破しようとHUAWEIは2020年末にhonorを別の会社として手放す。2021年 8月12日にはSnapdragon 888+(888)を搭載した「HONOR Magic3」シリーズ3機種を発表。

カメラデザインは、HUAWEIの「Mate 40」「Mate 30」と酷似しており、HUAWEIのDNAを感じる。

今でこそHUAWEIとHONORのスマホデザインは似てはいないが、OSにHUAWEIらしさを感じるのがHONORの特徴の一つとも言える。現在、HUAWEIHONORは全く別の会社という扱いにはなっている。

2021年1月発表「HONOR V40」、同12月発表「HONOR 50」ではGoogle Playストアを標準搭載した。

さらに、ハイエンド端末としては、2023年の「HONOR Magic5」にてGoogle Play対応。

日本でも発売されたP30 シリーズから事実上4年ぶりにHUAWEIのハイエンドスマホで正式にGoogleアプリが使えるようになったといえよう。ちなみに本家HUAWEIは未だに「裏技」や「互換アプリ」を使う必要があるらしい。

また、HONORでもグローバル版がない機種に関しては、他の中華スマホと同様に手動でインストールする必要があり、今回紹介する『HONOR Magic6 Ultimate』も元はGoogleが入っていない。

  • 攻めすぎた唯一無二なデザイン
  • 最強性能 Snapdragon 8 Gen 3
  • 超綺麗なカメラ
  • 超綺麗なディスプレイ
  • スマホ史上最高音質のスピーカー
  • Googleと日本語対応

箱がでかすぎる。

箱の開け方が独特。高級時計かな?

箱の中には小箱が3つ。ワクワクするな。

左下にHONOR独自の80W充電器、右下にはそれに対応したケーブルが入る。

上には、説明書のほかに、クリアケース(ハード)がHONORと書いてある袋の中に入っている。また、SIMピンもある。世界観がすごいぞ。ただし、クリアケースは側面が守られないタイプなのが残念。

  • 本体
  • 保護フィルム(試供品)
  • 充電器
  • ケーブル
  • ハードケース
  • 説明書
  • SIMピン

HONOR Magic6 Ultimateは同シリーズの6 Pro/6とは違いかなり個性的な見た目。少しタフネススマホぽくも見える。こう見えてそこまで重すぎるわけでもない。

主張が強く、かなりの大きさがあるカメラ。

このブラックの他に、パープルもある。自然な質感のTOGOプレーンレザー素材を採用している。

ボタンの配置位置は、多くのAndroidスマホと同じ。

イヤホンジャックはなし。

側面がテカテカ素材なので、適当にケーブルを抜き差ししてると気づいた時には充電端子付近が傷だらけになることが予想される。

物理SIM2枚入る。eSIMは非対応。

ディスプレイは6.8インチの大画面。

まず目につくのが画面上部の横長インカメラ。iPhoneと酷似しているものの、横長インカメラといえば「HUAWEI P40 Pro」が初。つまりiPhoneよりも先。

さらにこの横長インカメラを生かしたソフトウェアも搭載。

なんとこのギミックもHUAWEIが先。2018年のHONOR V20。

某りんごメーカーの『Dynamic Island』ほど対応しているアプリはなさそう。純正アプリとYouTubeなどは確認できた。なくても別に困らないが、あると嬉しい機能って感じ。

エッジディスプレイで、かつベゼルは細め。ただし四隅のR角はやや太い。

ディスプレイはBOEとHONORが3年かけて共同開発した特注品。経年劣化を起こしにくく、高い輝度を誇る有機ELパネル。HDRで5000ニトまで明るくなるとうたっている。直射日光下でも見やすい。欲を言えばあともう少し明るくして欲しかった。

realme GT5 ProとHONOR Magic6 Ultimate

リフレッシュレートは当然120Hzで、この可変式と発光素材の性能により省電力性は抜群らしい。ようはめっちゃすごい画面ってこと。

また、ディスプレイのガラスもHONOR特製「サイガラス」。ゴリラガラスとどちらが強いのかはわからないが、従来のものよりも10倍の対傷性と耐衝撃性があるらしい。とは言え、所詮ガラスなので割れる時は割れる。そこまで信用しないほうがいい。

HONOR Magic6 Ultimate「ステレオスピーカー」を搭載。

Magic6 Ultimateを譲ってくれた方が絶賛してたのがスピーカー性能。実際聴いてみて、スピーカーにこだわりのない僕でさえ、感動した。

高音、中音、重低音が完璧で、音の広がりもかなりダイナミックで優秀。もう別でBluetoothスピーカーを用意する必要はない。こいつがあれば。

HUAWEIといえば、カメラ性能の高さが最大の魅力。もちろんHONORも同じだ。

HONOR Magic6 Ultimateのカメラは下記。

・広角▶︎50MP(1/1.3型),f/1.4-2.0, 23mm

・2.5倍望遠▶︎180MP(1/1.49型), f/2.6

超広角▶︎50 MP(1/2.88型) f/2.0, 13mm, 122˚, AF

広角は「OV50K」。1/1.3型と1型が主流になりつつある今のカメラスマホとしてはサイズこそ小さいが、LOFIC構造でLYT-900の2倍、α7S III同等のダイナミックレンジというなかなかのハイスペックなもの。また、光学2.5倍望遠の1.8億画素も気になるところ。

スマホのカメラについて詳しい解説は下記。

カメラアプリ

▼HUAWEI端末のカメラアプリと似たデザイン。「2倍」ショートカットがないのは珍しい。

色味

色味は「本物」「生き生き」「ナチュラル」の3種類があり、「本物」が初期設定であったため、ほとんどを「本物」で撮影した。

▼HDRは控えめで、影をそのまま暗く写すため、非常にカメラっぽい写りまさに「本物」

▼Xperia XZ1は過度なAI補正もかからず、まさにカメラ。

Xperia XZ1 2017

▼vivoは全てが明るくて綺麗だが、メリハリがない。

vivo X100 Ultra ビビット

▼本物(デフォルト)

▼生き生き

▼ナチュラル

▼ビビッド(vivo X100 Ultra)


▼質感(vivo X100 Ultra)

▼Zeissナチュラル(vivo X100 Ultra)

▼本物(デフォルト)

▼生き生き

▼ナチュラル

▼本物(デフォルト)

▼生き生き

▼ナチュラル

▼それぞれの色味を並べてみると大きな差がある。

ここからは、実際どの程度まで撮れるか検証。透かし(写真下の白帯)がない写真はiPhone 15 Pro Maxで撮影したもの。先述した通り、以降、HONOR Magic6 Ultimateは「本物」で撮影。

1倍

▼ミニオンは綺麗に撮れているが、右後ろの背景が白飛びしているのが少し気になる。

▼「本物」の色合いは独特のエモさを感じる。画角が狭すぎ。27mmは今のスマホとしては珍しい。

▼HONORは雲の表現が上手い。エモい。

▼写真全体としてシャープネス控えめ。柔らか雰囲気になるので、くっきりさを求める人は好かないと思われる。

▼HONORは望遠カメラ(2.5倍)で撮影。realmeは標準カメラの2倍クロップズーム(リモザイク)。HONORは背景がボケて上品な感じ。どちらも綺麗すぎる。

2.5倍

▼光学2.5倍はかなり綺麗。綺麗すぎて、本当にスマホで撮ったのか疑うレベル。

5倍

▼大阪といえば、たこ焼き。

5倍(風景)

▼HONORはクロップズーム(リモザイク)。右のiPhoneは光学5倍。どちらも綺麗。解像感は同じ。

▼色合いはHONORがすっきりしているのに対し、iPhoneは黄色みは強い。

▼5倍であれば、「世界最強カメラスマホ」と解像感で遜色ない。

▼やっぱり色味がいい。

▼真ん中に反射している建物が白飛びしているが、眩しすぎて肉眼でもはっきりとは見えないので、写実的ではある。

▼vivoは白飛び補正がすごい。

10倍

▼HONORはちょっと厳しい。明らかに解像感が低くなっている。「realme GT5 Pro」はかなり綺麗。

▼HONORは光学2.5倍、realmeは光学2.8倍からデジタルズームになる。HONORは1.8億画素なのにデジタルズーム弱い。

▼HONORは解像感低め。

▼HONORはコントラストが高く、歩道橋の下が黒潰れしている。

20倍

▼20倍は4機種で比較。ただし撮影日が異なるのはご了承願いたい。「Find X7 Ultra」が頭ひとつ抜けてる。

25倍ズーム

▼HONORは解像感がかなり低いものの、補正の違和感も少なく、文字も何とか読める。iPhoneは望遠カメラに切り替わらず、メインカメラからのすべてデジタルズームになっていた。

40倍

▼realme強ええ。敵わず。

100倍

▼使い物にならない。

超広角

▼HONORは画角がとても広く、超広角カメラらしい迫力のある広い視野の写真。realmeは狭い。

▼HONORの色味の良さは超広角レンズでも同様。

▼風景などを撮る際に重宝する。

▼ただし、空が白飛びする場合あり。

物理可変絞りが楽しい

▼マニュアルモードから「絞り」を選択できる。f/2にすれば、特徴的な光の表現が可能(左)。※メインカメラのみ

HUAWEIといえば夜景

夜景・1倍

▼暗めのチューニングが夜らしさを表現しており、最高。白飛びも少ない。

▼コントラスト高めの夜らしい写り。

▼夜空を明るくしないため、ノイズも目立たず、良好。ただし、黄色味は強め。

夜景・光学望遠

▼日中よりも解像感が高く感じる望遠カメラ(光学2.5倍)。夜景に最適化されているのだろうか。

夜景・5倍

▼望遠カメラ(光学2.5倍)からのクロップズーム。こちらも非常に綺麗。

▼綺麗。

▼ちょっと暗いのは気になる。

夜景・10倍

▼十分綺麗。解像感もまずまず。

夜景・超広角

▼標準的。画角は広い。

花火

動画からスクリーンショット
動画からスクリーンショット
動画からスクリーンショット

静止画は一部で白飛びがあるものの、全体としてのレベルは非常に高く、撮影していて非常に楽しかった。

動画撮影性能は、以下のとおり。4K 60fpsで撮影中にレンズの切り替えが可能。

8K 撮影非対応
4K 撮影30fps/60fps
1080p 撮影30fps/60fps
スローモーション撮影120fps/240fps
シネマティック動画24fps/30fps

手ぶれ補正の良さと画角の広さは良好。日中は色味がやや違和感あり。夜景動画は綺麗。動画は下記。

顔認証はiPhoneと同じ3Dタイプ。顔を写真として登録する多くのAndroidスマホとは違い、顔のパーツの位置と凹凸形状で判断している。つまりセキュリティ性能が抜群に良い上に精度も高い。

これだけでも最強なのに、画面内指紋認証も搭載。 光学式なのが残念だけど精度も速度も優秀だし、なによりも3D顔認証も指紋認証も使えるなんて贅沢すぎるぜ!!

Snapdragon 8 Gen 3を搭載。最新最高性能だから何の文句もない。5.6年経ってもサクサク動作が期待できる。

OSは「Android 14」をベースにした『MagicOS 8.0』を搭載。HUAWEIの『EMUI』とほぼ同じ。

アップデートも定期的に降ってくるので、安心。

ホーム画面はアプリをすべて表示するタイプとドロワー式の2タイプから選べる。

アプリによってはアイコンの形が独自のものがあるから、統一感がない。

アプリ複製に対応。LINEを2つ使える。

HUAWEIの「AppGallery」「Petalブラウザ」があるように、HONORにもアプリマーケット(App Market)専用ブラウザを搭載。日本で住んでいる人は誰も使わないと思う。

AppGalleryとアプリマーケットはほぼ同じ。ただアプリマーケットのほうがアプリは少ないっぽい。

ちなみに、HONORのブラウザは中国語にしか対応していない。みんなChrome使おう。

コントロールセンターは左右独立型で、昔ながらの一体型にはできない。

バッテリーライフはハイエンド端末としてまあまあ。電池持ちが悪いとは全く感じないので十分満足できるはずだ。

IP68防水に対応。FeliCaはなし。

衛星通信に対応。山で遭難しても安心、ただし日本ではおそらく使えない。

Google翻訳による説明が下記。

良い点

  • 処理能力
  • 軽快で十分な機能搭載のOS
  • 綺麗なディスプレイ
  • 日本語とGoogle対応
  • 爆速で正確な顔認証
  • エモい写真が撮れるカメラ性能
  • 超高音質ステレオスピーカー

及第点

  • 本体が重め
  • 指紋認証の位置が低い/指紋認証が光学式
  • PD充電器の種類によっては充電が遅い
  • さらに明るさを下げる機能がない

注意点

  • FeliCaなし
  • 高倍率ズームが弱め
  • 技適なし
  • 発熱しやすい

FeliCaはないものの、PayPayをはじめとしたQRコード決済は利用可能。

人生初のHUAWEI/HONORのフラグシップ端末だったが、完成度の高さに驚いた。Google問題もないから安心して使えるし、処理能力も高いし、ディスプレイも綺麗、スピーカーに至ってはスマホ史上最高音質。カメラはズーム性能こそやや弱いものの、色の表現には、他のスマホにはないエモさがあるし、撮影していて楽しいカメラだった。

ただ、今は他のフラグシップ端末もカメラ性能は非常に高い。特にズーム性能に関してはOPPO Find X7 Ultraが抜きん出ている。しかもOPPOもGoogleがちゃんと使えるし、OSのアップデートも充実。

だからこそ、HUAWEI、HONORにこだわる必要はないというのも悲しい事実。そして消費者からすれば選ぶ選択肢がたくさんあって嬉しい今日この頃。

ワクワクさはもうなくなりつつあるが、これまで安めのスマホを使っていた人には、是非奮発して高いスマホを買ってもらいたい。HONOR Magic6 Ultimateじゃなくてもいい。とりあえずカメラ最強スマホを。間違いなく撮影体験に感動するはずだ。

Magic6 Ultimateはひとつ下のMagic6 Proとほぼ同じ。違いはメインカメラのセンサーとディスプレイ、本体デザインの3点。Androidのキング、Galaxy S24 Ultraとのスペック比較。

性能比較
Magic6 UltimateMagic6 ProGalaxy S24 Ultra
ディスプレイ6.8 インチ 有機EL 120Hz
1600 nits, 5000 nits (最大)
6.8 インチ 有機EL 120Hz
1600 nits, 5000 nits (最大)
6.8 インチ有機EL 120Hz
2600 nits (最大)
解像度1280 x 2800 最大453 ppi 
比率 19.5:9 
1280 x 2800 最大453 ppi 
比率 19.5:9 
11440 x 3120 最大 505 ppi
比率 19.5:9
チップSnapdragon 8 Gen 3Snapdragon 8 Gen 3Snapdragon 8 Gen 3
ストレージ – メモリ512GB-16GB
1TB-16GB
256GB-12GB
512GB-12GB
512GB-16GB
1TB-16GB
256GB-12GB
512GB-12GB
1TB-12GB
ストレージUFS 4.0UFS 4.0UFS 4.0
バッテリー5600 mAh
80W 有線
66W 無線
5W 給電
5600 mAh
80W 有線
66W 無線
5W 給電
5000 mAh
45W 有線, PD3.0 65%まで最速30 分
15W 無線 (Qi/PMA) 4.5W 給電
生体認証指紋/3D顔指紋/3D顔指紋(超音波)/顔
スピーカーステレオステレオステレオ
サイズ162.5 x 75.8 x 8.9 mm162.5 x 75.8 x 8.9162.5 x 75.8 x 8.9
重量227 g225 or 229232 / 233
カメラトリプルトリプルクアッド
Wi-FiWi-Fi 802.11 a/b/g/n/ac/6/7, dual-band, Wi-Fi DirectWi-Fi 802.11 a/b/g/n/ac/6/7, dual-band, Wi-Fi DirectWi-Fi 802.11 a/b/g/n/ac/6e/7, tri-band, Wi-Fi Direct
Bluetooth5.3, A2DP, LE, aptX HD5.3, A2DP, LE, aptX HD5.3, A2DP, LE
OSAndroid 14, MagicOS 8Android 14, MagicOS 8Android 14, One UI 6.1.1
SIMデュアルSIM (Nano-SIM 2枚)デュアルSIM (Nano-SIM 2枚)デュアルSIM (Nano-SIM + eSIM) – 日本版
デュアルSIM (Nano-SIM 2枚) – グローバル版
デュアルSIM (eSIM 2枚) – US版
FeliCaなしなしあり – 日本版
防水IP68IP68IP68
価格(税込)900 EUR$ 980.00 / € 966.17189,700 円

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