りんご通信では、毎年恒例となっている中国・HONORのフラグシップモデルレビューを今年もお届けする。
HONOR Magic8 Proは、SoCに3nmプロセスのSnapdragon 8 Elite Gen 5を採用し、2億画素・3.7倍望遠を含むトリプルカメラを搭載。スペック面から見ても、まさに“フラグシップ”と呼ぶにふさわしい一台だ。
前回のおさらい
【REDMI Note 15 5G レビュー】全部入りではないけど、手に取りやすい奇抜な1台。
【Galaxy S26+ レビュー】約5年振りの登場。薄型大画面で『普段使いをよりリッチに』
【結論】HONOR Magic8 Pro の良い点と注意点
- 圧倒的なボディの完成度
- 美麗なディスプレイ
- 高い処理能力×滑らかなOSによる快適な操作体験
- スマホとは思えない圧倒的なスピーカー
- 超広角の画角が広く、望遠の画質が良いカメラ
- 信頼できるバッテリー持ち(2日も余裕)
- ボディがでかく片手操作は不可能
- 広角カメラは1型センサーではない
- 中国版はクイック共有が使えない
- 日本の技適マークがない
- おサイフケータイに対応していない
- 日本では正規販売店はない
HONOR Magic8 Pro の特徴
HONOR Magic8 Proの特徴は以下の通りであり、あらゆる面において妥協のない、まさに“隙のない”究極のハイエンドモデルと言えるだろう。
- 6.71インチの有機ELディスプレイ
- 5000万画素広角メイン(1/1.3型・f/1.6・OIS)、超広角、3.7倍/2億画素望遠含むトリプルカメラ
- 3D深度カメラ採用による正確な顔認証
- スマホとは思えない圧倒的なスピーカー
- 7200mAh(120W有線急速充電)
- 5699元(約12万2002円)から
HONOR Magic8 Pro のボディをチェック


HONOR Magic8 Proは、161.2 × 75 × 8.3mmのボディサイズに、重量は219g。
カメラ性能を大きな魅力とする一台だけに、存在感のある筐体に仕上がっており、サイズ感はやや大きめだが、そのぶんフラグシップらしい迫力をしっかりと感じられる。


実際に筆者が愛用しているシャオミのフラグシップ「Xiaomi 15 Ultra」と比較してみた。
Xiaomi 15 Ultraは、161.3 × 75.3 × 約9.35mm、重量は約226gと、同じく大型・重量級のフラグシップに位置付けられる一台だ。
両者はサイズ感こそ近いものの、カメラ構成や筐体設計の違いによって、手に持った際の印象には明確な差が生まれる。実際の使い勝手や重量バランスの違いにも注目したいところだ。


実際に手に取ってみると、そのサイズと重量から片手操作は難しく、取り回しの面ではやや厳しい印象を受ける。
約161.5 × 75 × 8.4mm・219gという大型かつ重量級のボディであるため、小型スマートフォンを好むユーザーにはあまり向かないだろう。


HONOR Magic8 Proはカメラのハードウェアにも注力していることもあり、カメラユニットの存在感は確かに大きい。
とはいえ、過度に分厚いわけではなく、全体としてはフラグシップらしいバランスの取れた仕上がりとなっている。


ボディ左側にはアンテナラインのみが配置されており、ボタン類は一切備わっていない。


右側面には、音量ボタンと電源ボタンに加え、カメラボタンを搭載する。


HONOR Magic8 Proの上部には、スピーカーとマイクを搭載する。
受話口と兼用するタイプではなく、独立したスピーカーを備えている点は、音質へのこだわりを感じさせるポイントだ。なお、詳細は後述するが音質・音圧ともに非常に優秀な仕上がりとなっている。


HONOR Magic8 Proの底面には、スピーカー、USB Type-Cポート (USB Type-C 3.2対応)、マイク、SIMスロットを備える。


SIMスロットは表裏両面に対応しており、2枚のnanoSIMを装着可能だ。




なお、microSDカードには非対応だ。
ディスプレイ


HONOR Magic8 Proのディスプレイは、ハイエンドらしい圧倒的なスペックを誇る。
パネルにはLTPO OLEDを採用し、最大120Hzの可変リフレッシュレートに対応。10億色表示に加え、Dolby VisionやHDR Vividにも対応することで、映像コンテンツを高精細かつ豊かな色彩で楽しめる。
さらに、4320Hz PWM調光や最大6000nitsのピーク輝度など、視認性と目への優しさを高いレベルで両立している点も特徴だ。
画面サイズは6.71インチで、解像度は1256×2808(約458ppi)。約89.6%という高い画面占有率により、没入感のある表示体験を実現している。実際に使用していて、目も疲れにくく満足度の高いディスプレイだった。
HONOR Magic8 Pro のカメラ構成を確認
カメラ構成はトリプルカメラを採用。
メインには、50MP・f/1.6(23mm相当)の広角カメラを搭載し、1/1.3インチセンサーやマルチディレクショナルPDAF、OISに対応する。
望遠は、200MP・f/2.6(85mm相当)のペリスコープ望遠カメラを採用。1/1.4インチの大型センサーに加え、OISや3.7倍の光学ズームに対応し、高い解像感とズーム性能を両立している。
超広角には、50MP・f/2.0(12mm相当・122°)のカメラを搭載。デュアルピクセルPDAFにも対応し、広い画角でも安定した撮影が可能だ。


HONOR Magic8 Pro の画質をチェック
ここからは、筆者がHONOR Magic8 Proで実際に撮影した作例を紹介していく。
なお、撮影時のフィルターはデフォルトの「生き生き」を使用している。
超広角
HONOR Magic8 Proのカメラで特筆すべきポイントのひとつが、超広角の画角の広さだ。
広大な風景をダイナミックに切り取ることができ、パースを効かせた迫力ある表現が可能。風景撮影や建築物の撮影において、その強みを存分に活かせる仕上がりとなっている。


Xiaomi 15 Ultraは若干狭い。


広角




望遠(3.7倍)


日中撮影では、明るくスッキリとした色合いで仕上がり、扱いやすい画作りが印象的だ。
解像感も良好で、細部までしっかり描写されるため、撮影していて純粋に楽しいと感じられる仕上がりとなっている。
超広角・夜景


広角・夜景


望遠(3.7倍)・夜景




夜景撮影では、華やかで“映える”一枚を手軽に撮影できる点が印象的だ。
ノイズはしっかりと抑えられており、暗所でもディテールの破綻は少ない。全体として完成度は高く、夜景カメラとしても非常に優秀な仕上がりと言える。
望遠・その他






▼以下は、HONOR Magic8 Proの1倍で撮影した写真と、3.7倍望遠カメラを用いて7.4倍で撮影した写真だ。


望遠を活用することでパースの歪みを抑えた自然な描写が可能となり、物撮りにおいても被写体の形状を美しく再現できる。特にプロダクト撮影では、その効果を実感しやすいだろう。


▼HONOR Magic8 Proの3.7倍望遠カメラはテレマクロ撮影に対応しており、肉眼では捉えきれないディテールまで鮮明に描き出すことができる。






HONOR Magic8 Pro のカメラまとめ


HONOR Magic8 Proのカメラはやや明るめのチューニングが施されており、誰でも手軽に見栄えの良い写真を撮影できる点が特徴だ。
超広角は広い画角を活かしたダイナミックな表現が可能で、望遠についてもハードウェア性能の高さを感じさせる高精細な描写を実現。いずれの焦点距離においても不満はなく、全画角で高い完成度を誇る。こうした一貫した画質の高さは、まさにフラグシップモデルならではの体験と言えるだろう。
動画性能も優秀で、4K/60fps撮影時でも手ぶれ補正がしっかりと機能し、安定した映像を記録できる。解像感も高く、動画撮影においても安心して任せられる仕上がりだ。
総じて、カメラに関しては広角に1型センサーが載っていないこと以外、大満足だ。
HONOR Magic8 Pro のOS
HONOR Magic8 Proは、独自スキンを施した「MagicOS 10」を搭載する。
純正ギャラリーアプリにおけるAI編集機能をはじめ、滑らかな操作体験や刷新されたUIにより、日常使いからクリエイティブ用途まで快適にこなせる点が特徴だ。




ディスプレイ上部には、3D顔認証を実現するための各種センサーとインカメラを内蔵した、横長のアイランド型デザインを採用する。
その形状や表示領域の活用方法は、iPhone 14 Pro以降に採用されたDynamic Islandを想起させる仕上がりとなっている。


実際にiPhoneと比較してみると、HONOR Magic8 Proのほうがアイランド部分はコンパクトに収まっており、より洗練された印象を受ける。


また、近年では一般的になりつつある、カメラホールを活用した「マジックカプセル」機能にも対応する。
通知や操作を直感的に表示できる利便性の高い機能であり、実はこのコンセプトはHONORがいち早く採用したものだ。そうした背景から見ても、同社が先駆的な存在であると言えるだろう。


時計をはじめとした多くの純正アプリに対応する。




中国版ではあるものの、YouTube Musicにも対応している点は見逃せない。


MagicOS 10の設定アプリは項目ごとに整理されており、視認性・操作性ともに優秀だ。初めて触れる場合でも直感的に扱えるため、戸惑う場面は少ないだろう。
元親会社であるHuaweiとは異なり、中国版であってもGoogleサービスに対応している点は大きな特徴だ。さらに、グローバル版ではGMSが標準で利用可能となっており、クイック共有といった機能にも対応する。


アイコンデザインは、角に丸みを持たせた親しみやすいスタイルを採用している。


HONORに関しては、中国版とグローバル版で大きな違いはないため、価格差が大きい場合にまでグローバル版を選ぶ必要はない。
一方で、価格差が小さいのであれば、初期状態での使い勝手や対応サービスの面から見ても、グローバル版を選択するメリットは大きいだろう。


コントロールパネルと通知は左右で分かれる独立式を採用。
Google Pixelをはじめとした一般的なAndroidとは異なる仕様だが、中国メーカーのスマートフォンでは定番のUI設計とも言える。
一方で、その操作感はiOSに近い部分もあり、iOSに慣れているユーザーでも違和感なく使えるだろう。
HONOR Magic8 Pro の処理能力
HONOR Magic8 Proは、SoCに3nmプロセスのSnapdragon 8 Elite Gen 5を採用する。
ストレージとメモリ構成は、256GB+12GB RAM、512GB+12GB RAM、512GB+16GB RAM、1TB+16GB RAMを用意。用途やニーズに応じて幅広く選択できるラインアップとなっている。


何をするにもスムーズで快適だ。
HONOR Magic8 Pro のスピーカー
HONOR Magic8 Proのステレオスピーカーは極上の仕上がりだ。
フラグシップモデルらしく、スマートフォンの枠を超えた音の広がりを実現しており、没入感の高いリスニング体験を提供する。音圧も非常に高く、これがスマートフォンから出ている音とは思えないほどの迫力だ。


HONOR Magic8 Proのステレオスピーカーは音質にこだわるXperiaユーザーや、iPhoneユーザーでも満足できる完成度に仕上がっている。
HONOR Magic8 Pro の完璧な生体認証
HONOR Magic8 Proの生体認証は、スマートフォンの中でもトップクラスの完成度を誇る。
先述の通り、顔認証は3Dセンサーを用いた高精度かつ高速な認証に対応。認証後はロック画面をスキップしてそのままホーム画面へ移行できるため、操作のスムーズさにも直結している。


また、利用頻度の高い指紋認証には超音波式を採用。一瞬触れるだけでロック解除が完了するレスポンスの良さが魅力だ。万が一指紋認証に失敗した場合でも、そのまま顔認証へシームレスに移行できるなど、実用性の高さは実際に使えばすぐに実感できるだろう。
まとめ
HONOR Magic8 Proは、フラグシップにふさわしい完成度を誇る一台だ。まずボディは、161.2 × 75 × 8.3mm・約219gと大型かつ重量級で、存在感のある仕上がりとなっている。片手操作は難しいものの、その分だけ高級感や安定したホールド感を実現しており、所有欲を満たしてくれるデザインだ。
カメラはトリプル構成で、50MPの広角、200MPの3.7倍ペリスコープ望遠、50MPの超広角を搭載。全ての焦点距離で高い完成度を誇り、明るく見栄えの良い写真が誰でも簡単に撮影できる。
特に望遠の解像感やテレマクロ性能、そして広い画角の超広角は大きな魅力だ。夜景でもノイズを抑えつつディテールを保ち、動画も4K/60fpsで安定した撮影が可能と、総合力の高さが際立つ。
処理能力も非常に高く、3nmプロセスのSnapdragon 8 Elite Gen 5を搭載。日常操作はもちろん、重いゲームや動画編集でも余裕のあるパフォーマンスを発揮する。メモリ・ストレージ構成も幅広く、長期間快適に使える余裕がある。


バッテリー面でもフラグシップらしい安定感があり、一日は余裕どころか2日も問題ない。高性能なSoCと最適化されたソフトウェアにより、日常使いで不満を感じにくい持続時間を確保。高リフレッシュレートや高輝度ディスプレイを備えつつも、実用性とのバランスが取れている。
そして特筆すべきなのがスピーカーだ。HONOR Magic8 Proのスピーカーは、スマートフォンとは思えないほどの音の広がりと高い音圧を実現。
独立したスピーカー構造により没入感の高い音響体験を提供し、音質にこだわるユーザーでも満足できる仕上がりとなっている。


3D顔認証と超音波式画面内指紋認証の使い勝手も上々。スマートフォンとしての完成度は非常に高く、まさに“フラグシップとはこうあるべき”という姿を体現した一台と言える。
一方で、日本未発売モデルであるため入手性のハードルは高く、保証を受けにくい点は無視できないデメリットだ。加えて、おサイフケータイにも非対応となっており、日本国内での実用性という観点では割り切りが求められる。
とはいえ、こうした制約を差し引いても、その完成度の高さは魅力的であり、店頭で気軽に購入し、フルに活用できる地域が羨ましく感じられる。
HONOR Magic8 Proは、そうした“理想と現実”のギャップを抱えつつも、確かな実力を備えたハイエンドスマートフォンだった。
文・写真 あおと
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