待望のハイエンドモデル「NOTHING Phone (3)」を入手したのでレビューを行う。
国内価格は12GB/256GB構成で12万4800円からであり、iPhoneやGalaxyといった主要ハイエンド機と同水準の価格帯に位置づけられる。
おさらい
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NOTHING Phone (3)の特徴


NOTHING Phone (3)の特徴は下記の通りで、ハイエンドスマホらしいスペックだ。
- 高性能チップセット Snapdragon 8s Gen 4 (4 nm) を搭載
- 6.67型大画面ディスプレイ
- 新しいGlyph Interface
- 3倍テレマクロ望遠カメラ含むトリプルカメラ
- 5150 mAhバッテリー(65W有線 / 15W無線対応)
NOTHING Phone (3)のわくわくするボディ
今回は先代までとは大きく異なるデザインを採用している。他のスマートフォンには見られない独自性があり、ひと目で「NOTHING Phone (3)」と認識できる意匠に仕上がっている。


ディスプレイは6.67型の有機EL(OLED)を採用。解像度は1260×2800ドットで、画素密度は460ppi。アスペクト比は20:9となっている。
リフレッシュレートは最大120Hzに対応。画面輝度は最大4500nitsを公称し、カバーガラスにはCorning Gorilla Glass 7iを採用している。


実際の直射日光下での視認性も抜群だ。


画面上部にはパンチホールカメラを採用。ベゼル4辺が均一なのが美しいポイント。
NOTHING Phone (3)のわくわくするOS
OSは、Android 15ベースのNOTHING OS 3.5を標準搭載する。基本的に、純正のAndroid OSではあるが随所にナッシングらしさを取り入れている。








純正ランチャーアプリのアプリドロワーは下記の2種類から選択でき、iOSのようなカテゴリー分けされた配置が見やすくて好み。




OSのアップデート保証は5回、セキュリティアップデートはさらにプラス2年の対応だ。
新しいGlyph Interface


初代 Nothing Phone が発表された当時、背面が光るスマートフォンとして大きな話題を呼んだ。その後継機である Nothing Phone (2) も初代のコンセプトを受け継いでいるが、今回はこれまでのLEDではなく、小型ディスプレイへと進化を遂げている。




Essential Space
NOTHING Phone 3aから搭載された「Essential Space」が、ハイエンドモデルのPhone 3にも採用された。スクリーンショットや音声メモ、ToDo管理といった日常的な作業を一元的に管理し、AIが自動で整理・活用してくれる点が高く評価されている。
起動は本体右側の電源ボタン下にある専用ボタンを押すことで可能。さらに、ホーム画面上のアイコンからアクセスすれば、これまでの記録を確認・利用できる。






NOTHING Phone (3)のゲームも余裕な性能
ベンチマークは下記の通り。




SoCにSnapdragon 8s Gen 4を採用、実行メモリは12GBまたは16GB。(*今回レビューしているのは16GB)。
NOTHING Phone (3)の万能なトリプルカメラ


NOTHING Phone (3)は、下記の通り万能なトリプルカメラを搭載する。
- 広角(1倍)
- 3倍ペリスコープ望遠(テレマクロ対応)
- 超広角(0.6倍)
詳細は下記。
広角 24mm : 50 MP 1/1.3″, f/1.7, PDAF, OIS
望遠 70mm : 50 MP 1/2.75″, f/2.7, PDAF, 光学3倍 OIS
超広角 15mm : 50 MP, 1/2.76″, f/2.2, 114˚
ここからは、実際の作例を紹介する。
超広角


明るい環境であれば、色味も自然。細部の解像感は控えめ。
広角(1倍)


メインの広角カメラは、明るく鮮明な写真を撮影できる。プレビュー画面ではやや黄色味が強いと感じたものの、実際に保存された写真は自然な色合いに仕上がっていた。
解像感も良好で、さすがハイエンドスマホといった印象だ。
広角(2倍)


2倍クロップズームに対応しており、画質も十分実用的だ。ワンタップで手軽に2倍ズームを切り替えられるのは便利なポイントである。
望遠(3倍)


望遠カメラは光学3倍に対応。明るい環境であれば画質も十分に実用的だ。少し離れた被写体にも寄って、画質を損なうことなく撮影できる。
望遠(6倍)


さらに最大6倍でもロスレス撮影が可能。カメラアプリに6倍専用のトグルが用意されており、すぐに切り替えられる点は好印象だ。
明るい環境であれば画質も良好で、十分に実用的である。
その他




















色味は自然で、解像感も十分。ハイエンドスマホらしい完成度の高いカメラだ。撮影時のレスポンスも良好で、快適に使うことができた。
ズーム性能




最大ズーム倍率は60倍だが、30倍の時点でディテールが失われており、実用性は低い。
ただし、過度にシャープネスをかけていない点は評価できる。
テレマクロに対応している








3倍望遠はテレマクロに対応しているため近くのものを影を入れずにクローズアップできる。
続いて夜景についても紹介していこう。すべてナイトモードで撮影した。
超広角(0.6倍)


超広角カメラのハードウェア自体は特別優れているわけではないが、準ハイエンドSoCによる画像処理がうまく効いており、画質はまずまずといえる。
決して悪い印象はなく、他社スマホでも超広角は画質が落ちやすいことを考えれば健闘している部類だ。
広角(1倍)




広角カメラは、夜の雰囲気を残しつつ十分な明るさを確保し、高い解像感で撮影できる。色味も自然で、撮影そのものが楽しくなるカメラだ。




ナイトモードは約2秒で撮影が完了し、手ブレの心配が少ない点が魅力だ。ここまでの仕上がりであれば、多くのユーザーが満足できるだろう。
2倍


望遠(3倍)




3倍の望遠レンズは夜間でも実用的な画質で撮影が可能だ。解像感の極端な低下も見られず、良い。
6倍






6倍は3倍望遠の中央をクロップしたズーム写真。全体的な仕上がりは良好だが、夜景だと細部の潰れが気になる。
6倍をNOTHING Phone (3)と光学6倍望遠を搭載するOPPO Find X8 Ultraと比較してみた。(右がOPPO Find X8 Ultra)。


文字の読みやすさが明らかにOPPO Find X8 Ultraが上回っている。
動画性能
すべてのレンズで4K 60fpsの撮影が可能だ。しかし撮影中のレンズの切り替えはできず2025年のハイエンドにしては物足りない。
撮影 | レンズの切り替え |
1080p 30fps | ○ 超広角、広角、望遠の切り替えが可能 |
1080p 60fpa | ○ 超広角、広角、望遠の切り替えが可能 |
4K 30fps | ○ 超広角、広角、望遠の切り替えが可能 |
4K 60fps | × 撮影前に決めた倍率のみ |
NOTHING Phone (3)のスタミナ性能。安心のバッテリー
5150 mAhのバッテリーを搭載し、バッテリー持ちは良好。一日終わった後でも60%程度残っていた。


また、充電は65W有線と 15W無線対応に対応している。実際に、USB PD対応充電器で試してみたが、40分近くで満充電できた。
NOTHING Phone (3)の感想
良い点
- ゲームも遊べる高い処理能力がある
- おサイフケータイに対応している
- 望遠含むトリプルカメラを搭載!ハイエンドらしいカメラ画質がある
- 直射日光下でも明るくみやすいディスプレイ
- ベゼルが均一で美しいディスプレイデザイン
- 奇抜なデザインながらIP68完全防水に対応している
- バッテリー持ちが優れている
- 触覚フィードバックが優れている
- ステレオスピーカーを採用している
- Apple AirPodsの電池残量表示に対応している
及第点
- 価格が高め
- 本体サイズが大きめ
- 指紋認証の位置が低い
- 指紋認証が光学式
- 電源ボタンとEssential Space ボタンを押し間違える
- 音量ボタンが本体左側にあるため慣れが必要
- スピーカーの音量をあげると低音がごわつく
- デザインのクセが強め


ハイエンドスマホでありながら、これまでのNOTHING Phoneと同様に光学式の画面内指紋認証を採用している。精度・速度ともに申し分ないが、認証位置が画面下寄りにあるため、人によってはやや使いにくさを感じるかもしれない。
注意点
- キャリアの取り扱いは楽天モバイルのみ
- ハイエンドモデルなのに動画性能が物足りない(4K60fps撮影中にレンズの切り替えができない)
- ハイエンドモデルなのにUSB Type-C 2.0でデータ転送速度が遅い
NOTHING Phone (3)のまとめ


初代から日本でも発売されてきたNothing Phone。ミドルレンジモデルのNothing Phone (2a)ではFeliCaを搭載し、日本での使い勝手が向上した。
今回登場したハイエンドモデルのNothing Phone (3)もFeliCaに対応し、ハイエンドならではの性能に加えてユニークな要素も備えている。日常使いにおいても不自由なく利用できる点が嬉しい。


さらに今作では、3倍望遠を含むトリプルカメラを採用。カメラ性能を強化するとともに、従来の弱点であった防水性能もIP68に対応した。オリジナリティを取り入れつつ、まさに隙のない完成度に仕上がっている。
文、写真 あおと
NOTHING Phone (3)のスペック


スペック比較 | ||
---|---|---|
機種名 | NOTHING Phone (3) | NOTHING Phone (2) |
発売日 | 2025年7月 | 2023年7月 |
OS | Android 15, Nothing OS 3.5 5回OSアップデート | Android 13, Nothing OS 3.0 3回OSアップデート |
SoC | Snapdragon 8s Gen 4 (4 nm) | Snapdragon 8+ Gen 1 (4 nm) |
メモリ | 12GB(256GBの場合) 16GB(512GBの場合) UFS 4.0 | 8GB (128GBの場合) 12GB (256GBの場合) 12GB (512GBの場合) |
ストレージ | 256GBまたは512GB | 128GB、256GB または512GB |
バッテリー | 5150 mAh (インド版は5500 mAh) 65W 有線 15W 無線 7.5W 有線給電 5W 無線給電 | 4700 mAh 45W 有線 15W 無線 5W 無線給電 |
画面サイズ | 6.67 | 6.7 |
画面解像度 | 1260 x 2800 (460 ppi) | 1080 x 2412 (394 ppi) |
パネルの種類 | 有機EL | 有機EL |
生体認証 | 画面内指紋認証(光学式)、 顔認証(2D) | 画面内指紋認証(光学式)、 顔認証(2D) |
カメラ | 超広角 50 MP, 1/2.76″、f/2.2, 114˚ 広角 50 MP 1/1.3″, f/1.7, 24mm PDAF, OIS 望遠(3倍) 50 MP1/2.75″, f/2.7,PDAF, OIS | 超広角 50 MP,1/2.76″, 、f/2.2, 114˚ 広角 50 MP 1/1.56″, f/1.9, ,24mPDAF, OIS |
サイズ | 160.6 x 75.6 x 9 mm | 162.1 x 76.4 x 8.6 mm |
重量 | 218 g | 201.2 g |
カラー | ブラック ホワイト | ブラック ホワイト |
FeliCa | ○ (日本版以外は×) | × |
ワイヤレス充電 | ◯ | ◯ |
イヤホンジャック | × | × |
防水 | IP68 | IP54 |
SIM | Nano-SIM + Nano-SIM + eSIM(同時に使えるのはいずれか2枚の組み合わせ) | Nano-SIM + Nano-SIM |
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